多くの方々が、子どもに与える影響や、育児と職業の両立に関する心配を持ちつつも、働くことへの強い動機を感じています。
共働きすることで得られる利点や、考慮すべき点を、私自身の体験を通して掘り下げてみたいと思います。
これから仕事を始めるか迷っている方々へ、私の体験が何らかのヒントになることを願っています。
共働きによる子育ての利点: 経験からの洞察
私が育った家庭では、母は専業主婦として、いつも家にいてくれました。学校から帰ると、母の温かな「おかえり」が待っていました。このため、常に母がそばにいてくれる安心感がありました。
しかし、大人になってから自分の家庭を持つ際には、共働きの道を選ぶことにしました。その理由は、共働き特有の多くの利点に魅力を感じたからです。ここでは、共働きのメリットをいくつか挙げてみたいと思います。
経済面での余裕は無視できないメリット
共働きの最大の利点は、やはり経済面での余裕です。夫婦二人で収入を得ることで、家計はより安定し、生活の質を高めることが可能になります。
ただ、共働き家庭では、子どもを保育園に預けるなど、追加の出費が生じます。このため、共働きをする際には、これらの費用を考慮した上で、安定した収入の確保が必要になります。
また、片方が仕事を失っても、もう片方の収入があるため、家計に急な影響が出ることが少なくなります。専業主婦の場合、夫の収入に依存しているため、夫が仕事を失った際の影響は非常に大きいです。
収入源が二つあることで、経済的なゆとりも生まれ、私たちは家計に対してある程度の余裕を持っています。
年金と共働きのメリット：収入と手当てについて
日本では、20歳以上の国民は国民年金を支払うことが義務付けられています。また、雇用されている場合、多くの企業が社会保険に加入しているため、厚生年金も支払います。職に就いている間は収入に応じた年金を納め、退職後には国民年金と厚生年金を受給することになります。受給額は通常、退職後に増加し、特に子どもが独立した後の夫婦二人だけの生活では、受け取る年金の額の増加が老後の生活を豊かにします。このため、共働きによる経済的メリットは非常に大きいと言えます。
出産手当金や育児休業給付金などの給付
また、共働きをしている女性には、出産手当金や育児休業給付金などの給付があります。2020年8月時点で、専業主婦の場合は出産一時金42万円のみが受給できますが、働いている場合はそれに加えて出産手当金と育児休業給付金が支給されます。出産手当金は、勤務先の健康保険から受け取ることができ、日額は標準報酬日額の2/3が支払われます。育児休業給付金は、休業開始時の賃金日額を基に計算され、支給額は通常30日分の67％です。共働き家庭では、子育てに関連する手当が豊富であり、世帯収入の安定が期待できます。
傷病手当で家計のピンチを乗り切る
傷病手当金の支給を受けることができれば、完全に収入が途絶えることなく生計を支えることが可能です。この手当は、育児給付金と同様に、標準報酬日額の2/3が日額として支給されるため、大変助かります。
全額が支給されるわけではありませんが、収入がゼロにならないため、共働きの家庭にとっては非常に重要な支援となるでしょう。
子どもの早期社会化の利点
共働き家庭では、子どもを生後数ヶ月から保育園に預けるケースが珍しくありません。保育園では、幼い頃から他の子どもたちとの接触が多いため、自然と社会性が育まれます。
子どもたちは喧嘩をしたり、怪我をして帰ることもありますし、時には体調を崩すこともありますが、これらの経験が彼らの成長に寄与しています。親と過ごす時間が子どもに安心感を与えることは大切ですが、保育園での他の子どもたちとの交流は、また異なる価値を持っています。
共働き家庭の子育てにおける課題
これまでに共働き家庭のさまざまなメリットを紹介してきましたが、それに伴う課題も存在します。個人的には、共働き家庭のデメリットは多くないと感じていますが、実際に経験した課題もあります。
特に保育園の問題は、共働き家庭にとって大きな課題です。日中は子どもを保育園に預ける必要があるため、保育園や保育士の不足は深刻な問題となっています。実際には、希望通りの保育園に入れることは難しく、入園が叶う人もいれば、ある保護者からは後の希望や全く異なる保育園への案内を受けたという話も聞きます。
このような状況は、働きたいと考えている人にとって、共働きをスタートする際の最初の大きな壁となることでしょう。
保育園での行事や子どもの看病による休暇対策
保育園においても学校行事は多く、年に何回か参観日や運動会が開催されます。これらは主に土曜日に実施されることが多いですが、中には平日に行われるものもあります。その結果、親が仕事を休む必要が生じるケースが頻繁にあります。
有給休暇は限られた日数のため、計画的に使用する必要があります。加えて、小さい子どもは病気になりやすいため、突然仕事を休む必要が出ることも珍しくありません。
病児保育を行う保育園や医療機関の数は増えてきていますが、多くの親はできるだけ自分で子どもの看病をしたいと考えています。私自身も配偶者と相談し、負担の少ない方が休むようにしていますが、これが職場で理解されにくいことがありますし、時には家族の協力が得られないこともあります。
これらの課題を乗り越えるためには、家族での話し合いと職場への事情説明が重要です。これにより、仕事と家庭のバランスを適切に保ちつつ、問題を解決していくことが求められます。
まとめ
共働き家庭には、経済的な余裕が生まれるなどの明確な利点があります。双方の収入により生活の質が向上し、社会保険料の支払いが増えるため将来の年金受給額も増加します。これにより、安定した老後を迎えることが可能になります。さらに、子どもが生まれた際には、出産一時金だけでなく、出産手当金や育児給付金が支給されるため、経済的なサポートが得られます。万が一働けなくなった場合でも傷病手当金の支給があり、家計に大きな影響を与えずに済みます。
一方、子どもを早い段階で保育園に預けることで、同世代の子どもたちとの交流が生まれ、社会性が養われます。しかし、保育園の入園は困難を伴うことが多く、すぐに入園できるとは限りません。また、子どもの学校行事や病気のために仕事を休む必要が増えるため、職場や家族の理解と協力が不可欠です。
子育てをする際には、これらのメリットとデメリットをよく理解し、適切なバランスを見つけることが大切です。また、家族や社会のサポートを有効に活用し、ストレスを溜めずに育児を楽しむ方法を見つけることが重要です。仕事と育児の両立は簡単ではありませんが、負担の少ない方法を見つけて、子育てをより良いものにする努力が求められます。
